英語表記
French Bulldog

原産国
フランス

体重
10kg前後

体高
26cm〜31cm

性格や魅力
フレンチブルドッグは、いかつい風貌と異なる愛情深い性質があり、家族とともに過ごすことを好みます。また、とぼけたような外見を裏切らないユニークな行動を見せます。穏やかで思慮深く、神経質な面は少ないため、無駄吠えが起こりにくい個体が多いようです。他犬には平和的でフレンドリーですが、家族以外の人にすぐに懐くことは少ないかもしれません。

歴史

フレンチブルドッグの歴史は、19世紀後半のフランスにまで遡ります。この時期、イギリスからフランスに持ち込まれたイングリッシュ・ブルドッグが、フレンチブルドッグの主な祖先とされています。しかし、その起源については諸説あり、一部ではイングリッシュ・ブルドッグではなく、フランスやスペインなど欧州南部に古くから存在したマスチフ系の闘犬が祖先であるという説も存在します。フレンチブルドッグが現在の形になったのは、パリの繁殖家たちがイングリッシュ・ブルドッグと、パグや小型テリアなどの他の犬種を交配し、選抜を重ねた結果です。闘犬の血統から生まれたブルドッグやマスティフに、平和な気質のパグや陽気な小型テリアを交配し、家庭犬に向いた穏やかな性格とユニークな姿を与え、愛すべき存在に作り上げたのはフランスの繁殖家たちの功績と言えます。フレンチブルドッグは、その特異な外見と愛らしい性格から、19世紀末から20世紀初頭にかけてのヨーロッパの上流階級や芸術家たちに愛されました。特にパリの芸術家や作家たちの間で人気を博し、その姿は多くの絵画や彫刻にも描かれました。その後、20世紀中頃には一時的に人気が下降しましたが、近年ではその落ち着いた性格と無駄吠えの少なさ、特に暑い時期の運動量が少なくて済むことや短毛で手入れがしやすいことから、都市部では世界的に人気が高まっています。

飼育の注意点

  1. 適度な運動: フレンチブルドッグは活発な犬種ではありますが、短頭種であることと、がに股の体型から股関節に負担がかかりやすいため、運動は適度に行うことが重要です。特に暑い季節は、無理な散歩は避け、室内での軽い運動を心掛けましょう。
  2. 気温管理: 短頭種の特性から、フレンチブルドッグは体温調節が難しく、暑さに弱い傾向があります。特に夏季は熱中症に注意し、涼しい場所での休息を確保することが重要です。また、冬季は寒さに対する対策として、暖房の確保や衣服を着せるなどの工夫が必要です。
  3. 皮膚と耳のケア: フレンチブルドッグは皮膚病にかかりやすい傾向があります。定期的にブラッシングを行い、皮膚の健康状態をチェックしましょう。また、特徴的な大きな立ち耳は、耳道が開いているため、耳ダニや耳炎になりやすいです。定期的な耳掃除と、異常があれば早めの獣医さんへの相談が必要です。
  4. 食事管理: フレンチブルドッグは食欲旺盛な犬種で、肥満になりやすい傾向があります。適切な食事量と栄養バランスを保ち、定期的な体重チェックを行いましょう。
  5. 社会化: フレンチブルドッグは人懐っこい性格ですが、早い段階での社会化が重要です。子犬の頃から多様な人や犬、環境に触れさせることで、社会性を育て、ストレスに強い大人の犬に育て上げましょう。

気を付けたい病気
フレンチブルドッグのような短頭種は呼吸器が短いため、体温調節がしにくい体型であることが知られています。そのため、呼吸不全が原因の熱中症になりやすいです。特に暑い時期や、温暖地方では体温調節に気を配ってあげましょう。また、軟口蓋過長症といって、のどの上の肉が垂れ下がってきて気道を狭くしてしまうことがあります。健康な場合でもいびきやふがふがという呼吸音はしますが、頻繁にするようになったら、よく注意して早めに病院に行きましょう。短毛で通気は良い一方で、皮下に紫外線が届きやすく、虫刺されや接触アレルギーなども起こりやすいため、皮膚病にかかりやすい傾向があります。夏の時期は無理な散歩は控え、皮膚の変化に注意しましょう。フレンチブルドッグは目が大きいという特徴から、結膜炎や角膜炎が起こりやすく、遺伝性疾患により瞬膜が腫れて目頭から突出するチェリーアイなども見られます。日頃からよく注意して観察し、気になることがあれば早めに受診するようにしましょう。